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Crypt::SMIME::JA - S/MIMEの署名、検証、暗号化、復号

概要

  use Crypt::SMIME;

  my $plain = <<'EOF';
  From: alice@example.org
  To: bob@example.com
  Subject: Crypt::SMIME test

  This is a test mail. Please ignore...
  EOF

  my $smime = Crypt::SMIME->new();
  $smime->setPrivateKey($privkey, $crt);
  # $smime->setPublicKey([$icacert]); # if need be.

  my $signed = $smime->sign($plain);
  print $signed;

説明

S/MIMEの署名、検証、暗号化、復号を行うクラス。 libcrypto (http://www.openssl.org) が必要。

エクスポート

既定でエクスポートされるシンボルは無いが、次のシンボルはエクスポート可能である。

NO_CHECK_CERTIFICATE

"check()" を参照。

FORMAT_SMIME
FORMAT_ASN1
FORMAT_PEM

"extractCertificates()" を参照。

:constants

上記のもの全てをエクスポートする。

メソッド

new()
  my $smime = Crypt::SMIME->new();

引数無し

setPrivateKey()
  $smime->setPrivateKey($key, $crt);
  $smime->setPrivateKey($key, $crt, $password);

秘密鍵を設定する。ここで設定された秘密鍵は署名と復号の際に用いられる。 ファイル名ではなく、鍵本体を渡す。

対応しているフォーマットは PEM のみ。鍵の読み込みに失敗した場合はdieする。

setPrivateKeyPkcs12()
  $smime->setPrivateKeyPkcs12($key, $pkcs12);
  $smime->setPrivateKeyPkcs12($key, $pkcs12, $password);

秘密鍵およびその X.509 証明書を PKCS#12 から読み込んで設定する。秘密鍵は署名と復号の際に用いられる。 読み込みに失敗した場合は die する。

setPublicKey()
  $smime->setPublicKey($crt);
  $smime->setPublicKey([$crt1, $crt2, ...]);

公開鍵を設定する。ここで設定された公開鍵は署名への添付、署名の検証、 そして暗号化の際に用いられる。

対応しているフォーマットは PEM のみ。鍵の読み込みに失敗した場合はdieする。

setPublicKeyStore()
  $smime->setPublicKeyStore($path, ...);

信頼している証明書 (複数可) が入ったファイルやディレクトリのパス (複数可) を設定する。ここで設定された証明書ストアは、署名の検証の際に用いられる。

証明書ストアの読み込みに失敗した場合はdieする。

sign()
  $signed_mime = $smime->sign($raw_mime);

署名を行い、MIMEメッセージを返す。可能な署名はクリア署名のみ。

Content-*, MIME-* 及び Subject を除いたヘッダは multipartのトップレベルに移される。 Subject はS/MIMEを認識できないメーラのために, multipartの トップレベルと保護されるメッセージの両側に配置される。

元の MIME メッセージ、秘密鍵、またはその証明書のいずれかが汚染されている (tainted) ならば、署名されたメッセージも汚染される。

signonly()
  $sign = $smime->signonly($prepared_mime);

署名の計算を行う。 $sign はBASE64でエンコードされて返る。 $prepared_mime には, "prepareSmimeMessage" で返される値を渡す。

元の MIME メッセージ、秘密鍵、またはその証明書のいずれかが汚染されている (tainted) ならば、生成された署名も汚染される。

prepareSmimeMessage()
  ($prepared_mime, $outer_header)
      = $smime->prepareSmimeMessage($source_mime);

署名用のメッセージを準備する。 $prepared_mime には署名用に修正されたMIMEメッセージを返す。 $outer_header は、S/MIMEの外側に付与するヘッダを返す。

$prepared_mime の本文は$source_mimeと同じ物となるが、 ヘッダに関してはContent-*, MIME-*, Subject を除く全てが 取り除かれる。取り除かれたヘッダは $outer_header に返される。 S/MIMEメッセージを構築する際にはこれをS/MIMEメッセージのヘッダに追加する。 Subject ヘッダのみは $prepared_mime$outer_header の両方に 現れる点に注意。

check()
  use Crypt::SMIME qw(:constants);

  $source_mime = $smime->check($signed_mime);
  $source_mime = $smime->check($signed_mime, $flags);

検証を行う。検証に失敗した場合はその理由と共にdieする。

$flags として Crypt::SMIME::NO_CHECK_CERTIFICATE オプションを指定した場合には、署名者の証明書チェーンを検証しない。 $flags のデフォルト値は 0 であり、この場合には全ての整合性についての検証を行う。

元の S/MIME メッセージ, $flags, または公開鍵の少なくとも一つが汚染されている (tainted) ならば、検証されたメッセージも汚染される。

encrypt()
  $encrypted_mime = $smime->encrypt($raw_mime);

暗号化を行う。

Content-*, MIME-* 及び Subject を除いたヘッダは multipartのトップレベルにコピーされる。 Subject はS/MIMEを認識できないメーラのために, multipartの トップレベルと保護されるメッセージの両側に配置される。

元の MIME メッセージ、または公開鍵の少なくとも一つが汚染されている (tainted) ならば、暗号化されたメッセージも汚染される。

decrypt()
  $decrypted_mime = $smime->decrypt($encrypted_mime);

復号を行う。復号に失敗した場合はその理由と共にdieする。

元の S/MIME メッセージ、秘密鍵、またはその証明書のいずれかが汚染されている (tainted) ならば、復号されたメッセージも汚染される。

isSigned()
  $is_signed = $smime->isSigned($mime);

渡されたMIMEメッセージがS/MIMEで署名されたものなら真を返す。 クリア署名かどうかは問わない。 署名後に暗号化したメッセージを渡した場合は、署名が直接見えない為、 偽を返す事に注意。

isEncrypted()
  $is_encrypted = $smime->isEncrypted($mime);

渡されたMIMEメッセージがS/MIMEで暗号化されたものなら真を返す。 暗号化後に署名したメッセージを渡した場合は、暗号文が直接見えない為、 偽を返す事に注意。

関数

extractCertificates()
  use Crypt::SMIME qw(:constants);

  @certs = @{Crypt::SMIME::extractCertificates($data)};
  @certs = @{Crypt::SMIME::extractCertificates($data, FORMAT_SMIME)};

<S/MIMEメッセージまたはPKCS#7オブジェクトに含まれるX.509証明書 (や証明書失効リスト) をすべて取得する。 オプションの $type パラメータでデータの種類を指定できる。 Crypt::SMIME::FORMAT_SMIME (初期値) はS/MIMEメッセージ、 Crypt::SMIME::FORMAT_ASN1はバイナリ形式、 Crypt::SMIME::FORMAT_PEMはPEM形式。

getSigners()
  @certs = @{Crypt::SMIME::getSigners($data)};
  @certs = @{Crypt::SMIME::getSigners($data, $type)};

S/MIMEメッセージまたはPKCS#7オブジェクトに含まれる、署名者の X.509証明書を取得する。オプションの$typeパラメータでデータの種類を指定できる。

この関数が返す公開鍵は検証されていないことに注意。 公開鍵が有効であることを確かめるにはcheck()を実行すること。

著者

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