# -*- coding: utf-8 -*-

=encoding utf-8

=head1 NAME

yatt_manual(ja) -- yatt 構文マニュアル (日本語版)

=head1 SYNOPSIS

=for code yatt

  <!yatt:args>
  <yatt:layout title="My hello world">
    <yatt:myhello who="world!"/>
  </yatt:layout>

  <!yatt:widget myhello who>
  <h2>Hello &yatt:who;!</h2>

  <!yatt:widget layout title>
  <!doctype html>
  <title>&yatt:title;</title>
  <body>
    <yatt:body/>
  </body>

=head1 Overview

yatt のテンプレートは、通常の HTML に、
B<名前空間 yatt:> で始まる yattの構文要素を加えたものです。
(名前空間は yatt の設定で変更可能ですが、
この文書では簡単のため yatt: で説明を統一します)
yatt の構文は XML に似ていますが、XML よりも再帰性を改善した、
よりテンプレート向きの独自構文 
L<LRXML|YATT::Lite::LRXML::Syntax> (Loose but Recursive XML)
を採用しています。以下は LRXML の主な構文要素とその役割の概要です。

=over 4

=item C<< <yatt: >> ... C<< /> >>

=item C<< <yatt: >> ... C<< > >> ~ C<< </yatt:...> >>

L<部品(widget) の呼び出し|/Widget Invocation>

=item C<< <:yatt: >> ... C<< />  >>~

=item C<< <:yatt: >> ... C<< > >> ~ C<< </:yatt:...> >>

L<部品(widget) への引数(タグ形式)|/attribute element>.
(引数の中に更にタグを含めたい時に使うと、HTML らしいテンプレートが書けます)

=item C<< &yatt: >> ... C<< ; >>

L<Entity 参照|/Entity reference> (埋め込み要素:変数や関数呼び出し)

=item C<< <!yatt: >> ... C<< > >>

L<yatt 宣言|/YATT Declaration> (部品定義の始まり)

=item C<< <!--#yatt  >> ... C<<  --> >>

L<コメント|/Comment block>. この部分は yatt の解析対象外。

B<XXX:> 将来的に、閉じを C<< #--> >> に変更する案があります。

=item C<< &yatt[[;  >> ... C<<  &yatt]]; >>

=item C<< &yatt#num[[;  >> ... C<< SINGULAR >> ... C<<  &yatt||;  >> ... C<< PLURAL >> ... C<<   &yatt]]; >>

多国語化メッセージ. B<yatt xgettext> で抽出。

=item C<< <?yatt  >> ... C<<  ?> >>, C<< <?perl  >> ... C<<  ?> >>

L<ターゲット言語の記述を直接埋め込みたい時|/Processing instruction>

=back

=head1 Files

yatt を用いた Web Application の典型的なディレクトリ構成の例を挙げます。

  .
  ├── app.psgi
  ├── cpanfile
  ├── lib
  ├── public
  │   ├── .htyattconfig.yml
  │   ├── hello.yatt
  │   ├── index.yatt
  │   ├── login.ydo
  │   └── other.html
  ├── static
  │   └── css
  │       └── main.css
  └── ytmpl
      ├── .htyattrc.pl
      ├── envelope.ytmpl
      └── error.ytmpl

一般的な F<.html>, F<.css> や、perl の L<PSGI> ベースの Web Application
の標準的なファイルである F<.psgi>, F<cpanfile> 以外に、
yatt に固有なファイルとして F<.yatt>, F<.ytmpl>, F<.ydo>, F<.htyattconfig.yml>, F<.htyattrc.pl>
が各所に置かれています。以下それぞれの役割を概説します。

=over 4

=item C<*.yatt>

Web Application として外部に公開したい (public な) yatt ベースの動的ページは、
拡張子 F<.yatt> を付けて、Web Application の公開ディレクトリに直接配置します。
上記の例では F<public/> ディレクトリに置いています。
(php が F<.php> ファイルを公開ディレクトリに配置するのと同様です)
サブディレクトリも普通に扱えます。公開ディレクトリの名前は設定で変更可能です。

=item C<*.ytmpl>

反対に、ユーザに見せる予定の無い(B<private> な)テンプレートには拡張子
F<.ytmpl> をつけてください。公開ディレクトリに置くことも可能ですが表示は拒否されます。通常は上記の F<ytmpl/> のようにテンプレート専用のディレクトリを作成して
そこに配置します。

=item C<*.ydo>

POST されるデータに対する処理など、 html 生成よりもデータの操作が
主であるものは、テンプレートの中に書こうとすると却って読みにくくなります。
そこでそのような処理は直接 perl で記述出来るよう、別の仕組みが用意されています。
(この文書では扱いません)

=item C<.htyattconfig.yml>, C<.htyattconfig.xhf>

ディレクトリ毎の L<YATT::Lite> をロードする時に渡される設定パラメータを記述します。
書式は YAML か L<XHF|YATT::Lite::XHF::Syntax> 形式です。

=item C<.htyattrc.pl>

ディレクトリ毎の Entity 関数を定義したい時や、
ディレクトリ毎の各種ハンドラをオーバロードしたい時に使います。



=back

B<XXX:> 残念ながら、現時点では、C<.htyattconfig.yml> と
C<.htyattrc.pl> の更新を反映させるには、 B<プロセスの再起動> が必要です。

=head1 Widget Invocation

widget を呼び出すには、 C<< <yatt:... >  >> で始まるタグを書きます。
タグは C<< /> >> で閉じる empty element 形式か、閉じタグ C<< </yatt:... > >> を
使う形式、どちらでも書けます。引数は C< x="..." > のようにタグの属性として渡すか、
L<引数を表す別のタグ|/attribute element> として渡すことが出来ます。

  <!--foo の呼び出し. 閉じタグ無し. 引数は属性 x として渡す例-->
  <yatt:foo x="hello!" y="world!"/>
  
  <!--開きタグ+閉じタグの例。囲まれた部分は body 引数として渡されます-->
  <yatt:foo x="hello!" y="world!">
    my contents!
  </yatt:foo>
  
  <!--中に属性タグ形式で引数 x を書く例-->
  <yatt:foo>
    <:yatt:x>hello!</:yatt:x>
    <:yatt:y>world!</:yatt:y>
    my contents!
  </yatt:foo>
  
  <!--属性タグの、閉じタグ無し形式の例-->
  <yatt:foo>
    my contents!
  <:yatt:x/>
    hello!
  <:yatt:y/>
    world!
  </yatt:foo>


=head2 widget search order

widget は

=over 4

=item * 同一ファイル内

=item * → 同一ディレクトリ内

=item * → 他に指定されたテンプレートディレクトリ

=back

の順で検索され、最初に見つかったものが使われます。B<検索はコンパイル時に> 行われ、
見つからない場合はコンパイルエラーとなります。

=head2 widget B<path>

別のファイルやディレクトリ内で定義された widget を呼び出す事も可能です。
この場合、パス名を C<:> でつなげて書きます。(拡張子 F<.yatt> は省いて下さい)

例えばファイル F<foo/bar.yatt> の中に

    <!yatt:widget baz>
    ....

が有った場合、これを F<index.yatt> から呼び出すには

    <yatt:foo:bar:baz/>

と書きます。

XXX: 同じ名前のファイルとディレクトリが有った場合

=head2 XXX: positional arguments

C<name=> を省略して引数を書く話

=head2 XXX: path thru arguments

引数の右辺に bareword を渡したときの挙動

=head2 Implicit arguments

=head3 XXX: this, CON

=head3 body argument
X<body>

全ての widget は閉じタグを使う形式で呼び出すことが出来ます。

   <yatt:foo>
     bar
   </yatt:foo>

この時、閉じタグまでの間に書いた記述は、暗黙の引数 C<body> として widget に渡されます。
body は (明示的に宣言しない限り) C<code> 型とされます。

これを呼び出すには, entity 呼び出し形式か、widget 呼び出し形式、
どちらでも使用できます。

   &yatt:body();

   <yatt:body/>

これは最も頻繁に現れる、ブロック形式の部品を定義するときに役立ちます。

   <yatt:env title="mypage">
     ...ここに延々と本体を...
   </yatt:env>


   <!yatt:widget env title>
   <h2>&yatt:title;</h2>
   <div class="content">
     <yatt:body/>
   </div>


=head2 attribute element

閉じタグを使う C<< <yatt:...> ... </yatt:...> >>形式で
widget 呼び出しを書いたときは、そのタグで囲まれた
body の箇所に、他の引数を特別なタグ (属性タグ) として書くことができます。
(タグ型引数)
これを用いると、html 属性 の中にタグ的な記述を持ち込む必要を減らすことが
出来ます。

属性タグは、先頭が C<< <:yatt... >> で始まるタグです。
(lisp の C<:keyword> 引数のイメージです)

属性タグの書き方は二通りあり、 C<< /> >> で終わる空要素を使う形式と、
C<< </:yatt... >> 閉じタグを持つ形式です。

   <yatt:env>
     ...body として渡される部分...
     <:yatt:title/>
     タイトル
   </yatt:env>


   <yatt:env>
     <:yatt:title> タイトル </:yatt:title>
     ...body として渡される部分...
   </yatt:env>


=head1 BUILTIN Macro

yatt のタグは widget の呼び出しだけではなく、
他にも制御構文を表すタグにすることも出来ます。
これは yatt のマクロ機能によって実現されています。
L<YATT::Lite> には以下のマクロが組込み定義されています。

=head2 C<yatt:my>
X<my>

局所変数を宣言・初期化したい時に使います。属性として C<var="初期値"> を複数
書くことが出来ます。初期値を省略することも可能です。
変数に型を指定するには C<var:type="初期値"> のように C<:> に続けて
型名を書きます。型を指定しない場合は L</text> 型になります。

  <yatt:my x=3 y=8 z />

  <yatt:my
     foo="bar"
     val:value="&yatt:x; * &yatt:y;"
  />

閉じタグを用いた場合、自動的に html 型の変数宣言となり、body に相当する部分が
値として用いられます。

  <yatt:my foo>
    <h2>foobar</h2>
  </yatt:my>


=head2 C<yatt:if>, C<:yatt:else>
X<if> X<else>

条件分岐を記述したい時に使います。

  <yatt:if "not &yatt:x;">
   ...not x の時...
  <:yatt:else if="&yatt:x; < 10"/>
   ... x が 10 より小さい時 ...
  <:yatt:else/>
   ...その他...
  </yatt:if>

=head2 C<yatt:foreach>
X<foreach>

ループを書く時に使います。 C<list="..."> にリストを作る式を渡すと、
そのリストに対してループします。 C<my=var> でループ変数を宣言出来ます。
宣言を省略した場合は C<&yatt:_;> が使われます。

  <yatt:foreach my=row list="&yatt:some_db_query();">
    ...DB から取り出した一行毎に...
  </yatt:foreach>


my で変数を宣言する時に型を指定するには、(変則的ですが)
C<my:型名=> のように、 C<my> と C<=> の間に C<:型名> で型を指定します。

  <yatt:foreach my:list=row list="&yatt:some_db_query();">
     &yatt:row[0]; &yatt:row[1];
  </yatt:foreach>


=head2 C<yatt:return>
X<return>

エラー処理などで Early return を書きたい時に使います。 C<if="..."> か
C<unless="..."> の条件式を渡すことで、指定条件成立時に early return する
ことが出来ます。(if, unless は無くても構いません)

  <yatt:return if="&yatt:some_error;">
    <h2>エラーが見つかりました!</h2>
    &yatt:some_error;
  </yatt:return>

  <yatt:my data:value="&yatt:get_some_data();"/>
  <yatt:return unless="&yatt:data;">
    <h2>データが取得できませんでした!</h2>
  </yatt:return>


注意点: C<yatt:return> は単なる実行の打ち切りなので、それ以前に
出力された内容が有った場合、それも出力されます。

=head1 Entity Path Expression
X<entpath> X<Entity reference>

yatt ではテンプレートへの値の埋め込み(置換)を (HTML/XMLの) entity reference
記法を拡張した Entity Path 式で表現します。 HTML/XML の entity reference は C<&amp;>, C<&quot;> のように C<&> .. C<;> で表現されましたが、
yatt の Entity Path 式 は C<&yatt> で始まり C<;> で終わります。
(勿論、この接頭辞 yatt も設定で変更可能です)

以下はEntity Path式の例です。

  &yatt:foo;                       <!-- 変数 foo の参照 -->

  &yatt:func(arg1,arg2);           <!-- 関数 funcの呼び出し -->

  &yatt:dict{name};                <!-- 辞書(ハッシュ表) dict の要素参照 -->

  &yatt:list[:x];                  <!-- 配列 list の要素参照 -->

重要な注意点ですが、一部の例外を除き、 Entity Path式の中には B<スペースをそのまま含めることは出来ません>。

  &yatt:func( space separated text );  <!-- エラー! -->

これは意図的に加えた制限です。あまり複雑な構文を用意しても、
既存の HTML/XML エディタとの相性が悪化するだけだから、という理由です。

=head2 path element
X<path element>

Entity Path式の例を再掲します。

  &yatt:foo;                       <!-- 変数 foo の参照 -->

  &yatt:func(arg1,arg2);           <!-- 関数 funcの呼び出し -->

  &yatt:dict{name};                <!-- 辞書(ハッシュ表) dict の要素参照 -->

  &yatt:list[:x];                  <!-- 配列 list の要素参照 -->

Entity Path式の構文は開始記号 C<&yatt> で始まり、
一個以上の L</path element> の列の後、最後に終了記号 C<;> で閉じられます。
式の意味はこの path element によって決まります。
先の例から path element のみを抜き出すと、以下のようになります。

  :foo                       <!-- 変数 foo の参照 -->

  :func(arg1,arg2)           <!-- 関数 funcの呼び出し -->

  :dict{name}                <!-- 辞書(ハッシュ表) dict の要素参照 -->

  :list[:x]                  <!-- 配列 list の要素参照 -->

path element のうち、C<(..)>, C<[..]>, C<{..}> のように括弧を用いるものは
以下の特徴が有ります。

=over 4

=item 括弧内の要素は C<,> で区切ります

通常の言語の関数呼び出しと違い、 C<,> は optional な terminator として解釈されます


  &yatt:func();                  <!-- func()       引数なし -->
  &yatt:func(1);                 <!-- func(1)      引数1つ -->
  &yatt:func(1,);                <!-- func(1)      引数2つ -->
  &yatt:func(1,2);               <!-- func(1,2)    引数2つ -->
  &yatt:func(1,2,);              <!-- func(1,2)    引数2つ -->
  &yatt:func(1,2,,);             <!-- func(1,2,'') 引数3つ -->
  &yatt:func(1,2,());            <!-- func(1,2,'') 引数3つ -->

=item 括弧内の要素は C<:..> で始まる L</path element> と、それ以外の L</literal element> に分類されます。

以下の例では、 L<:val()|/entity_val> の引数は L</path element> です。

  &yatt:val(:foo);
  &yatt:val(:bar[3]);
  &yatt:val(:baz{foo});

以下の例では、 L<:val()|/entity_val> の引数は L</literal element> です。

  &yatt:val(other);
  &yatt:val({k,v,k2,v2});
  &yatt:val([1,2,3]);

=item 入れ子にする時はC<&yatt> と C<;> を書きません。

括弧の要素には path element (か、後述の literal element)
を入れ子で書くことが出来ます。

  &yatt:func(&yatt:dict{name};,&yatt:list[:x];);  <!-- エラー! -->

  &yatt:func(:dict{name},:list[:x]);              <!-- 正常 -->


=item path element の後には、別の path element を続けて書くことが出来ます。

  &yatt:object:method1():method2():method3();

  &yatt:list[:x][:y]:method();

  &yatt:dict{name}:method()[:ix];

=back


=head3 C<:var>  -- 変数参照
X<:var>

変数 C<var> の値を埋め込みます。例えば変数 C<bar> の値が C<"BAR"> だとして、

   foo &yatt:bar; baz

は

   foo BAR baz

に置換されます。

=head3 C<:func(arg...)>  -- 関数呼び出し
X<:func>

そのディレクトリの .htyattrc.pl で定義された Entity C<"func"> を呼び出します。
引数は C<,> で区切って複数個書くことができます。

例えば、もし引数の合計を計算する関数 C<sum()> が entity として宣言してあれば、

  3+4+5 = &yatt:sum(3,4,5);

は

  3+4+5 = 12

に置換されます。

=head3 C<:dict{key}> -- 辞書から取り出し
X<:dict>

HASH(辞書)変数 C<dict> の要素 C<key> を参照します。

例えば変数 C<car> に辞書 C<< {model => "Pulse", maker => "Renault"} >>
が入っている場合、

   My car is &yatt:car{model};.

は

   My car is Pulse.

に置換されます。

=head3 C<:list[ix]> -- 配列から取り出し
X<:list>

配列変数 C<list> の要素 C<ix> を参照します。


=head2 literal element

引数をそのまま返す標準 entity 関数 L<:val()|/entity_val> を用いて
L<最初の Entity の例|/entpath>を書き直してみましょう。

  &yatt:val(:var1);
  &yatt:val(:func(arg1,arg2));
  &yatt:val(:dict{name});
  &yatt:val(:list[:x]);

この括弧の中には、上記のような path element の他に、
L<配列|/:array-lireal>、  L<辞書(ハッシュ表)|/:hash-literal>、
L<文字列|/:other-text>をそのまま埋め込むことも出来ます。
これを Entity Path式の L</literal element> と呼びます。

  &yatt:val([1,2,3]);

  &yatt:val({name,hkoba,age,XXX});

  &yatt:val(rawstring);

文字列にスペースを含めたい場合は、文字列全体を C<(...)> で囲みます。

  &yatt:val((space separated string)));

更に文字列 literal の先頭に C<=> を入れた場合、
Entity Path式の該当箇所に(制限付きながら)ホスト言語(Perl)の計算式を埋め込むことも可能です。

  &yatt:val(=3*8);

  &yatt:val((= $x * $y));

=head3 C<{key,value...}> -- 辞書作り
X<:hash-literal>

辞書(HASH表)をそのまま書きたい場合に使います。

  &yatt:val({foo,x,bar,y}{foo});  <!-- x を返します -->

  &yatt:query(table,{user,hkoba,status,online});

  &yatt:dbic:resultset(Artist):search({name,{like,John%}});

=head3 C<[val,val,...]> -- 配列作り
X<:array-lireal>

配列をそのまま書きたい時に使います。

  &yatt:val([a,b,c][0]);   <!-- a を返します -->

  &yatt:query(table,[user,hkoba,status,online]);

=head3 C<(spaced text)> -- 空白入り文字列
X<:spaced-text>

文字列に空白や C<,> などを含めたい時には、全体を C<(...)> で囲んで下さい。

  &yatt:query((select x, y from t));

空文字列(長さゼロの文字列)を明示的に使いたい時も使えます。

  &yatt:obj:someMethod(());   <!-- 空文字列を引数として obj.someMethod を呼ぶ -->

=head3 C<=expr>, C<(=expr)> -- 計算式
X<:expr>

文字列の先頭が C<=> で始まる場合、(perl の)式として扱われます。
部分式に計算式を書きたい時に使います。

  &yatt:if(=$x<$y,yes,no);
  &yatt:if((= $x < $y),yes,no);

=head3 C<..other-text..> -- 文字列
X<:other-text>

以上いずれにも属さない文字列は、単なるテキスト値として扱われます。

B<現時点では> ここに perl の C<$var> 形式の変数埋め込みを書くことが許されています。

=head2 Examples

例:

  &yatt:dict{foo}{:y};
  &yatt:list[:y];
  &yatt:x[0][:y][1];
  &yatt:if(=$$list[0]or$$list[1],yes,no);
  &yatt:if(=$$list[0]*$$list[1]==24,yes,no);
  &yatt:if((=($$list[0]+$$list[1])==11),yes,no);
  &yatt:HTML(:dump([3]));
  &yatt:HTML([=3][0]);
  &yatt:HTML(=@$var);


=head2 BUILTIN Entity

B<XXX:> dump, render, HTML, default, join, url_encode, datetime, mkhash, breakpoint
site_prefix, site_config, dir_config

=head3 C<:val()>
X<entity_val>, X<:val>

第一引数をそのまま返します。第二引数以降は無視します。

  &yatt:val(3);      <!-- 3 を返します -->

  &yatt:val(a,b,c);  <!-- a を返します -->

  &yatt:val();       <!-- undef(null) を返します -->


=head1 YATT Declaration

yatt のテンプレートは宣言文と本文の並びです。 yatt宣言 は C<< <!yatt:... >>
で始まり C<< > >> で終わります。以下は宣言の例です。

  <!yatt:args
      x y="text" z='code'
      -- コメント --
      body=[
         title="text"
         name="text"
      ]
  >

  <!yatt:page "/doc/:item">

  <!yatt:page other="/foo/:item">

  <!yatt:widget another x y>

宣言の中に書けるものは、以下のものが有ります。

=over 4

=item C<name>, C<ns:name...> (ターゲット言語で許された識別子と C<:>)

引数や、widget 自体の名前は、(引用符抜きで) そのまま書くことが出来ます。

=item C<name=...>

C<...>には C<"..">, C<'..'>, C<[..]> いずれかの引用記法か、
スペースと閉じタグ C<< > >> を含まない文字列を書くことができます。

=item C<"text in double quote">, C<'text in single quote'>, C<[ ... nested ... ]>

引数の型やデフォルト値、ルーティングを書くときの記法です。

=item C<-- ... -->

宣言の中には L<-- ... -- で囲んで|/Inline comment> コメントを書くことが出来ます。

=back



=head2 C<< <!yatt:args ARGS...> >>
X<!args> X<decl-args> X<default-widget>

yatt では、拡張子が F<*.yatt> 又は F<*.ytmpl> となったファイルは自動的に
widget として扱われ、ファイル名から widget の名前が与えられます。例えば
F<index.yatt> は同じディレクトリの別ファイルから C<< <yatt:index/> >>
として呼び出すことが可能です。

そのようにして作った widget は(ファイルの中の) B<default widget> と呼ばれます。
この default widget に引数を渡せるようにするための宣言が、 C<< <!yatt:args> >> です。

  <!yatt:args x y>
  ...(以下、このテンプレートでは引数x と y が使用可能に)...

引数には L</Argument Declaration> を用いて型やデフォルト値を指定することが出来ます。

また、L<URL Pattern|/subrouting> を用いて,
path_info の残りを引数に用いるよう指定することも出来ます。


  <!yatt:args "/:doc" x y>
  ... (引数 doc, x, y が使用可能に)...

=head2 C<< <!yatt:widget NAME ARGS...> >>
X<!widget> X<decl-widget>

yatt では一つのテンプレートの中に複数の widget を定義することが出来ます。

  <!yatt:widget foo x y>
   ...(foo の定義)...
  
  <!yatt:widget bar x y>
   ...(bar の定義)...


このようにして定義した widget は (次の L</page> とは異なって)
内部的なものであり、外部からのリクエストで勝手に呼び出されることは有りません。

=head2 C<< <!yatt:page NAME ARGS...> >>
X<!page> X<decl-page>

public な widget を定義します。一つのテンプレートファイルで
複数の page を記述したい時に使います。
ファイル内の page を呼び出すには L</Request Sigil Mapping> か
L<URL Pattern|/subrouting> を使って下さい。

    <h2>以下をご記入ください</h2>
    <form>
     ...
     <input type="submit" name="~confirm" value="確認">
    </form>
    
    <!yatt:page confirm>
    <h2>入力内容をご確認ください</h2>
    ...

=head2 C<< <!yatt:action NAME> >>
X<!action> X<decl-action>

テンプレートの中に POST 動作も記述したい時に使います。
action 部分に書けるプログラムの詳細は
L<XXX: (未完) prog_action|YATT::Lite::docs::prog_action> を参照してください


    <!yatt:page confirm>
    <h2>入力内容をご確認ください</h2>
    <form>
     ...
     <input type="submit" name="!register" value="登録">
    </form>

    <!yatt:action register>
    ...(ここからperl のプログラム)...

=head1 Request Sigil Mapping

=head2 C<~PAGE=title>, C<~~=PAGE>

page を呼び出すには POST/GET の parameter に C<~ページ名=...> か
 C<~~=ページ名> を含めて下さい。(B<...> 部分は任意の文字列で構いません。)
(複数同時に送信した場合はエラーになります)

例えば

    <input type="submit" name="~back" value="戻る">
    <input type="submit" name="~confirm" value="確認画面へ進む">

あるいは

    <input type="hidden" name="~~" value="confirm">
    <input type="submit" value="確認画面へ進む">

(submit ボタンが一つしか無いときは、後者の方が安全です)

=head2 C<!ACTION=title>, C<!!=ACTION>

action を呼び出すには POST/GET の parameter に C<!ページ名=...> か
 C<!!=ページ名> を含めて下さい。(B<...> 部分は任意の文字列で構いません。)
(複数同時に送信した場合はエラーになります)

例えば

    <input type="submit" name="~back" value="戻る">
    <input type="submit" name="!register" value="登録する">

あるいは

    <input type="hidden" name="!!" value="register">
    <input type="submit" value="登録する">

(これも、submit ボタンが一つしか無いときは、後者の方が安全です)

=head1 Inline URL Router
X<subrouting>

yatt の args 又は page には、URL パターンを書く事が出来ます。

パターンは yatt 宣言の中の先頭(引数よりも前)に
文字列形式 (C<'/...'> か C<"/...">) で書きます。

パターンの前に C<識別子=> を加えて C<name="/..パターン.."> の形式で書いた場合、
C<name> が widget の名前として用いられます。
C<name=> を省略することも可能です。この場合、URLパターンから
widget 名が自動生成されます。

(パターンは必ず C<"/"> で始まる必要が有ります。(将来の拡張のため))

=head2 C<< <!yatt:args "ROUTE" ARGS...> >>
X<decl-args-route>


   <!yatt:args "/:user">
     ... &yatt:user; ...

(C<!yatt:args> は (既に名前が決まっているので) C<name=> は不要です。)

=head2 C<< <!yatt:page "ROUTE" ARGS...> >>

   <!yatt:page "/admin/:action" x y z>
     ...

=head2 C<< <!yatt:page NAME="ROUTE" ARGS...> >>

   <!yatt:page blog="/blog/:article_id">
     ... &yatt:article_id; ...

   <!yatt:page blog_comments="/blog/:article_id/:comment_id">
     ... &yatt:article_id; ... &yatt:comment_id; ...


=head2 Routing patterns

実際のルーティングでは、最初に page のパターンが上から順に試され、
最後に args のパターンが試されます。

=head3 C<:VAR>
X<route-colon notation>

C<[^/]+> にマッチしたものが、引数 C<:VAR> に渡されます。

   <!yatt:page '/authors/:id'>
   <!yatt:page '/authors/:id/edit'>
   <!yatt:page '/articles/:article_id/comments/:id'>

=head3 C<{VAR}>
X<route- curly notation>

   <!yatt:page "/{controller}/{action}/{id}">
   <!yatt:page '/blog/{year}/{month}'>

=head3 C<{VAR:REGEXP}>
X<route-curly with regexp notation>

   <!yatt:page '/blog/{year:[0-9]+}/{month:[0-9]{2}}'>

=head3 C<{VAR:NAMED_PATTERN}>
X<route-curly with named pattern notation>

   <!yatt:page '/blog/{year:digits}-{month:digits}'>

B<XXX:> named_pattern の拡張方法を書かねば... 現状では変数の型名とは無関係です。

=head3 C<(PATTERN)>
X<route-optional match notation>

C<(PAT)> は、後ろに正規表現の C<?> を付けて C<(PAT)?> として解釈されます。
つまり, (..) にマッチする内容が無いケースも許すパターンを書きたいときに使います。

   <!yatt:args "/:article(/:comment(/:action))">


=head1 Argument Declaration

   <!yatt:args
       x y z  -- 3つの引数 x y z を宣言。--
       title="text?Hello world!"
              -- text型の引数 title を宣言, デフォルト値は Hello world  --
       yesno="bool/0"
              -- bool型の引数 yesno を宣言, デフォルト値は 0 --
   >

yatt の widget には引数を宣言することが出来ます。引数宣言は
正式には C<引数名 = "型名 フラグ文字 デフォルト値"> の形式で書かれます。
この内、型名は省略可能で、省略時は L<text|/text> 型(出力時に全て escape される)に
なります。

引数にデフォルト値を指定するには、型名と区別するため、
L<デフォルト・フラグ文字|/DEFAULT FLAG> を書いてからデフォルト値を続けて書きます。

以下は正しい引数宣言の例です。

    x
    y=text
    z="text"

    victor="text?bar"
    dave  ="?baz"
    ginger= "?"

=head1 TYPE

引数には(escapeの)型があります。型を指定しなかった場合は L</text> 型として扱われます。

=head2 C<text>
X<text>

出力時に escape されます。通常はこちらを用います。

   <yatt:foo x="my x" y="my y"/>

   <!yatt:widget foo x  y="text">
     &yatt:x;
     &yatt:y;

=head2 C<html>
X<html>

引数として渡される値が、既に外側で何らかの方法で
安全な html へと escape 済みであると分かっている場合に指定します。
(なお body 引数の解説は L<こちら|/body> を参照してください)

  <yatt:bq>
    <h2>foo</h2>
    bar
  </yatt:bq>

   <!yatt:widget bq body=html>
   <blockquote>
      &yatt:body;
   </blockquote>

=head2 C<value>
X<value>

引数に書いたものがターゲット言語(perl) の計算式として扱われます。
数値など計算結果を渡したい時に使います。

例

   <yatt:expr_and_result expr="3 * 4" val="3 * 4"/>
   
   <!yatt:widget expr_and_result expr=text val=value>
   &yatt:expr; = &yatt:val;

この結果は以下のように表示されます。

   3 * 4 = 12


=head2 C<bool>
X<bool>

フラグ用の型です。C<=1> を省略出来る以外は、L</value> 型と同じです。

   <yatt:foo use_header/>

   <!yatt:widget foo use_header="bool/0">
   <yatt:if "&yatt:use_header;">
     ...
   </yatt:if>

=head2 C<list>
X<list>

引数としてターゲット言語のリスト形式のデータを渡したいときに使います。

   <yatt:mymenu list="1..5"/>
   <yatt:mymenu list="&yatt:some_db_query();"/>

   <!yatt:widget mymenu items=list>
   <ul>
   <yatt:foreach my=item list=items>
     <li>&yatt:item;</li>
   </yatt:foreach>
   </ul>

=head2 C<code>
X<code>

条件式や widget を渡したいときに使います。遅延評価されます。
widget の場合、更に引数の型指定が可能です。
(L<暗黙の body 引数|/body argument>はこの型になります。)


  <!yatt:widget myquote  author=[code name=text url=text]>

  <yatt:foreach my=rec list="&yatt:some_db_query();">
   ...
    <yatt:author name="&yatt:rec{name};" url="&yatt:rec{url};" />
   ...
  </yatt:foreach>

=head2 XXX: C<attr>
X<attr>

=head2 XXX: C<delegate>
X<delegate>

XXX: C<[delegate -exclude_var]>

=head1 DEFAULT FLAG

=head2 C<|> - C<undef>, C<"">, C<0>
X<|>

値が C<undef>, C<"">, C<0> の時はデフォルト値に置き換えられます。
(覚え方:perl の C<||> に相当)

   <!yatt:args  x="| 1">

=head2 C<?> - C<undef>, C<"">
X<?>

値が C<undef>, C<""> の時はデフォルト値に置き換えられます。
(覚え方:キーボードの C</> に shift を加えると C<?>)

   <!yatt:args  x="?foo" y="html?bar">

=head2 C</> - C<undef>
X</>

値が C<undef> の時はデフォルト値に置き換えられます。
(覚え方:perl の C<//> に相当)

   <!yatt:args  x="bool/0">

=head2 C<!> - mandatory
X<!>

必ず指定しなければならない引数であることを宣言します。
この指定がある場合、引数を忘れるとコンパイルエラー扱いになります。

   <!yatt:args  title="!" x="value!">

=head1 Comment block

B<XXX:> 将来的に、閉じを C<< #--> >> に変更する案があります。

C<< <!--#yatt ... --> >> で囲まれた範囲は yatt の解析対象から外され、
また出力にも出されません。これに対し、
C<#yatt> を含まない普通の C<< <!--...--> >> は、その通りに出力されます。

もし yatt のテンプレートにうまく動かずエラーになる箇所がある時に、
そこをコメントアウトする(字面上は残しつつ、機能はさせない、
単なるコメントにする)には、必ず C<#yatt> のついた、 yatt のコメントを使って下さい。

=head2 Inline comment

L<!yatt宣言|/YATT Declaration> や
L<widget 呼び出しタグ|/Widget Invocation>,
L<タグ型引数|/attribute element> の中にも、制限付きながら
C<-- ... --> でコメントを書き入れることが出来ます(タグ内コメント)。

制限としては、「使える文字が制限される(ex. 中にタグは書けない)」、
「タグの終わり, コメントの終わり」と誤解される書き方は出来ない、があります。


タグ内コメントの例を挙げます。

  <yatt:foo id="myfoo" -- id="mybar" と書こうと思ったけどやめた -- >
    ...
  <:yatt:title  -- ここにもコメントを書けます -- />
    <h2>あれやこれや</h2>
  </yatt:foo>


  <!yatt:widget foo
     id -- id には dom id を入れて下さい, とかなんとか --
     title -- title には○○を入れて下さい... --
  >
  ...

=head1 Processing instruction

=over 4

=item C<< <?perl= ... ?> >>

処理結果を escape して出力します。

=item C<< <?perl=== ... ?> >>

escape せずに、生のままで結果を出力します。

=item C<< <?perl ... ?> >>

単純に処理だけ行います。

=back